むかし、Mくんという知り合いがいました。
Mくんは、見えないものは信じない、占いなんて大キライという、一般的な考えをするタイプの男子でした。
なぜか子供の頃からケガや病気が多くあり、腕やお腹に大きな傷跡がありました。
腕には縦に伸びた大きな傷跡があり、どうしたのか聞いたことがあります。
「そんなに大きな傷じゃなかったのに、成長したら皮が伸びて大きくなっちゃった」と言ってました。
お腹にも手術のあとがいっぱいあると言って、手術の傷跡を見せてくれました。大きいのから小さいのまでたくさんあって、
「なんていう目にあってるんだろう!?」と驚き。
そんなMくんをいつも、変わった人だなぁと思っていたのですが、あるとき不思議な話をしてくれました。
なにがきっかけで、そんな話になったのかは忘れてしまったのですが、
Mくんが自分の部屋で寝ていると、何者かに足を引っ張られ、布団から引きずりおろされ外に連れて行かれそうになったのだそうです。
そのときドアが開いており、ものすごい力で引っ張られたまま外に連れて行かれそうになったので、壁やら物に捕まって抵抗して暴れていたら、気が付いたときには、お稲荷さんの前にいた。
ということでした。
そのお稲荷さんは、Mくんの家の隣にあったそうなのですが、自分の家の敷地内にあったのにも関わらず、だれも手を合わすことをしていなかったそうです。
その出来事があった後、油揚げをお供えして「ごめんなさい」と手を合わせたら、その後、なにも起こらなくなったそうです。
お稲荷様は、現世利益をよく叶えてくれると言われていますが、そのかわりに、礼儀をキチンとしなければいけないと聞いたことがあります。
やってもらったことはお返しする。叶えてもらったら感謝する。
というような人間社会で行っていることをお稲荷様にもするということだそうです。礼儀を尽くすことをおろそかにすると、何か怖いことが起こると聞いたことはありますが、
身近な人で経験したのは初めてでした。
Mくんは、そのお稲荷様に何か願い事をして叶えてもらっていたのかもしれませんね。
こんなことがあったのに、見えないものは信じないと言い張るMくん、、。
本当は怖いから「信じたくない」という方が本音かもしれません。
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